何月決算がいいの?~消費税と資金繰り、業種から考える決算期の決め方

何月決算がいいの?~消費税と資金繰り、業種から考える決算期の決め方

会社設立する際に必ず決めなくてはいけない項目に、決算期があります。
何月を決算期にするかは、全くの自由です。

世間では3月決算が多いのが現状です。
日本の慣習上、3月は年度末であり、その関係から3月決算が多いものと思われます。

では、これから会社設立する場合は何月決算にすればよいでしょうか?

加藤会計事務所では、消費税の免税期間と資金繰り、銀行対策の観点から決めることをお勧めします。



消費税の免税期間を考慮する!

新たに設立した会社で、資本金が1000万円未満の会社は、消費税の納税義務が免除になる場合があります。

※平成25年1月から、消費税の免税期間についての改正が行われています。

これは、消費税の納税義務が2年前の事業年度の売上高で判定するため、新規設立の場合2年前の事業年度が存在しない(=0)ためです。

つまり3年目は、設立初年度が存在するため消費税の納税義務が発生してきます。

消費税の納税義務が免除になる期間を最大限に活用する場合は、設立日から1年後を決算日にするのが一番有利です。

例えば4月1日設立の場合は3月31日になります。

9月10日であれば、8月31日です。



資金繰りから決算期を考える!

会社を設立すると、様々な支払が訪れます。

商売に関するものであれば社長も予想がつくと思いますが、法人税、法人住民税、源泉所得税、労働保険料となると、どのくらいの金額でいつに支払うかはなかなか覚えられるものではありません。

なるべく同じ時期に支払が重ならないように決算期を考えてみましょう!

以下に主なものを列挙しますので、確認してください。

法人税、法人住民税(確定申告)・・・決算日から2が月以内(3月決算の場合5月31日)
法人税、法人住民税(中間申告)・・・決算日から6ヶ月を経過した日から2月以内(3月決算の場合、11月30日)
源泉所得税(小規模会社の納付の特例の場合)・・・1月20日と7月10日
労働保険、雇用保険料・・・7月10日

上記に加えて、会社の個々の事情を勘案します。

ボーナスの時期
業種的に現金売上が少ない時期(一般的な小売の場合、2月や8月)
銀行の借入返済日(毎月でない場合など)

いっぱいありますね。

すべてをうまく避ける決算期はあり得ませんので、特に大きくなりそうなものを優先して決めるべきです。

それぞれの金額はある程度は予測できます。

※1、2の法人税等は会計事務所に予測してもらいましょう。

※3の源泉所得税は、役員報酬・従業員給与・賞与から預かっている源泉所得税の月額×6ヶ月です。

※4は従業員給料・賞与の年間合計額に%(業種により違いますのでお近くの労働基準局やハローワークで確認してください。)を乗じたものです。



業種から決算期を考える!

会社を設立し決算期を迎えると、商品などの在庫を数える「棚卸」という作業が発生します。

この「棚卸」は実地で数えないといけません。
つまり、仕入れた商品の数から売れた商品の数をマイナスして、引き算で計算する棚卸ではなく、実際に目で見て数える棚卸が必要です。

商品数が多い小売や卸売りなどの業種は、この作業にものすごく時間が取られます。

ですので、商品などの在庫を多く抱える業種は、閑散期である程度在庫の少ない、ニッパチ(2月と8月)を決算にする事で、その負担を少なくする事が出来ます。

決算期は業種によっても使い分けが必要ですね!



銀行対策を意識する!

銀行などから借り入れする場合、何を元に融資の審査が行われるのでしょうか?

将来性?社長の人柄?、もちろんこれらも、審査の大事な要素です。
ただ、なんといっても一番重要視されるのは決算書です。

決算書は、会社の成績表ですから、審査されて当然ですが、この成績表は決算日時点、つまりその日の瞬間的な成績表です。

優良な会社なら、決算日がいつであれ、作成される決算書も当然、見栄えが良いでしょう。

しかし、季節変動が大きい業種や売掛金の回収サイトが長い業種などは、月によっては、非常に苦しい月もあるはずです。

その苦しい時期を決算日にした場合、当然、その苦しい状況が決算書に反映されます。

銀行は、決算書の数字を機械的に入力して、コンピューター判断しますので、あまり財務内容が悪いと、思ったより融資が出なかったり、高い利息を提示される可能性があります。

こういう事態を避けるには、会社の一番いい時期を決算日にすることで解決できる場合もあります。

見た目の良い決算書の会社なら、銀行も貸したがるでしょうし、しかも金利が安く借りられる可能性もあります。

会社設立時にはここまで考えられないとは思いますが、ある程度会社の運営が安定したら、決算日の変更も考えた方が良いかもしれませんね。



都合が悪ければ決算期を変更する!

何も考えずに決算期を決めてしまった場合や実際の業務に決算時期が悪影響を与えている場合などは、決算期の変更を検討しましょう!

決算期の変更は意外に簡単に出来ます。

定款を変更(登記する必要なし)して、税務署・都道府県税事務所・市区町村に「異動の届出」と定款のコピー若しくは定款変更の議事録を提出して終わりです。

つまり費用はかかりません。

ただし、1年を超える決算期の変更は出来ませんので注意!

決算期の変更は節税対策に使える場合もあるので、専門家に聞くのがベストです。

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