お客様の規模、業種にもよりますが、概ね、下記のような資料や事前準備するよう、お伝えしています。
調査場所の確保
本店や営業所など。
場所が確保出来ない場合は会計事務所で行う事もあります。
中小零細企業の場合、調査官は2名、多くても3名で来ることが多いです。
帳簿や領収書などの資料を広げられる程度の作業スペースは確保してあげてください。
あまりに作業スペースが少ないと効率が落ちて、調査に時間が掛かってしまいます。
調査応対者の選定
通常は社長と経理。
資料の準備(直近3期分を目途に)
【概況説明のため】
・会社案内
・組織図
・社員名簿等
【経理関係】
・総勘定元帳
・固定資産台帳
・受取証拠書類(納品書・請求書・領収書等)
・自社証拠証類(納品書控・請求書控・領収書控等)
・稟議書・決裁文書等(議事録等)
・契約書
・就業規則(給与規定)・経理規定・慶弔規定・福利厚生規定等
【総務・給与関係】
・源泉徴収簿(給与台帳)
・扶養控除申告書
・出勤簿・タイムカード
・雇入関係書類
・退職給与受給申告書等
事前準備
・机・書棚・金庫内の整理、不要品の処分。
・各書類に貼られたメモ・付箋紙の確認・処分。
・金銭出納帳等、日々締切る帳簿類については、調査直前日までの処理が完了していること。
・受払簿あるものは実物との突合を済ませておく(現金・小切手・手形・印紙・切手・プリペイドカード等)。
・年度末購入備品の使用状況、パンフレット等決算時在庫計上していない用品類の開封状況確認。
最近はパソコン内のファイル・メール等を閲覧されるケースもあります。
不要なファイル・メール受発信簿等は削除しておいた方が無難です。
例えば、エクセルの作成日時、更新日時など、ファイルのプロパティから確認する場合もあります。
後付けで書類を作成したように見える場合もありますので、余計な疑いが掛からないよう気を付けましょう。
対応の心得等
特殊な場合を除き、通常の税務調査であれば、特別に意識し、緊張する必要はありません。
調査官の指摘には正直に対応し、感情的になったり敵対的になったりしないで下さい。
とはいえ税務調査ですので、回答等は、基本的に質問内容だけに留めておいて下さい(雑談等も業務に関連することが話題になった場合は慎重に)。
質問内容や提出要求書類が理解出来ない時は、遠慮せず調査官の方へ聞き返して下さい。
それでも理解出来ない場合や、担当業務以外の事項で分からない場合には、その旨伝え、適切な担当者に説明させる等の対応をして下さい。
調査官から事情聴取を受ける時は一人で受けないで、必ず税理士または上司を同席させて下さい。
見解の相違点については調査官の考え方を最後まで聞きメモを取った上、会社の考え方を遠慮せず明確に主張してください。
口頭だけでなく裏付け資料等を必ず準備して下さい。
調査官の求めによる「申立書」「質問てん末書」(税務署長宛となる)を書くように要求される場合があります。
この書類は、会社の行為(不正等)を立証するための目的があるので、下記の項目に留意し落ち着いて必ずよく確かめて対応しましょう。
(留意事項)
① 内容をよく確認して、事実と異なるものは訂正する。
② 追加したいことを加筆してもらう。
③ 必ず上司か税理士を同席させ一人で署名しない。