会社設立の落とし穴(3)消費税の免税が受けられなくなる?
消費税の改正があり、新規の会社設立や個人事業を開始する場合に影響があります。
具体的には、従前は、資本金1,000万円未満で会社設立した場合、設立後、最長で2年間は消費税の納税義務がありませんでした。
2年間の消費税免税は、会社設立の際の大きなメリットでした。
この免税について税制改正があり、免税期間が短くなります。
1年間の免税は残りますが、2年目以降は納税義務が発生する場合があります。
理屈は下記の通りです。
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従来の判定方法
消費税の納税義務は、原則2年前の売上高で判定し、1,000万を超えた時点で、納税義務が発生します。
つまり、従前は設立1期目と2期目は2年前の売上が存在していない、つまりゼロなので免税となるという理屈でした。 -
改正後
消費税の納税義務は、原則2年前の売上高で判定することに変わりはありませんが、第1期の内、前半6ヶ月で売上が1,000万を超えている場合は、第2期目から納税義務が発生します。
つまり、設立後1期目の免税は確定ですが、2期目以降は、第1期目の売上次第ということになります。ただし、もう1つ判定基準があって、第1期目の前半6ヶ月の給与(売上ではなく)の支給額が1,000万円を超えなければ、免税という判定基準もあります。
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結論
従来のように、とにかく2年間は消費税免税ということにはなりませんので、会社設立のメリットの1つが薄れたのは間違いありません。
ただし、第1期目の前半6ヶ月の給与(売上ではなく)の支給額が1,000万円を超えない場合でも免税になりますので、ここで救われる会社は多いと思われます。
その他、インボイス制度が開始され、免税のままだと取引先に迷惑を掛ける可能性が高く、免税を捨てて課税時業者にならざるを得ない場合は消費税免税のメリットは無くなります。