会社設立の落とし穴(1)役員報酬に対する増税
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- 平成25年以降は、役員報酬や給与について増税が行われています。
- 現状
今までは、個人である程度の収入が多くなった場合、法人成り(会社設立)して、自分が社長となり、会社から給料としてもらった方が、所得税も住民税も節税になりました。なぜ節税になるかというと、給与所得控除という優遇措置があるからです。
これは、一般的なサラリーマンなどの場合でも、仕事上で必要な経費を自己負担する場合があるので、ある程度、経費として認めてあげようという趣旨のものです。
その経費相当額が給与所得控除額と呼ばれるものです。例えば、年収500万円の場合、給与所得控除額は144万円です。
つまり、500万円-144万円=356万円に対して所得税や住民税が課されます。この144万円って随分と多いと感じませんか?
実際に、年収500万のサラリーマンで、仕事のために154万円も使っている方は、ほとんどいないのではないでしょうか?
つまり、税制的には「給与」はとても優遇されているのです。個人事業の場合は給与所得控除はありませんので、上記の例で言えば、利益が500万であればその全額が課税対象です。
そこで、給与所得控除を利用した節税策が、法人成りです。
個人事業である程度利益が出ている場合や、新規事業でも当初から利益が見込める場合などは会社を設立し、自分が社長として給料をもらう形態を取る。そうすると、実態としては何も変わらないのに給与としてもらうことで、税金を圧縮できたのです。
- 税制改正の影響 給与所得控除に制限
平成29年以降は給与所得控除に制限が加えられました。
今までは、給与所得控除は収入が多ければ多いなりに控除額も多くなりました。
更に令和2年以降は給与年収850万超は、給与所得控除額が195万で上限となります。 -
結論
給与所得控除に上限が出来たため、法人成りしても以前ほどの節税効果が得られなくなりました。
なお、会社設立した場合の最大のデメリットである社会保険料の記事も目を通すことをお勧めします。
- 現状
会社設立の落とし穴(2) 社会保険料に気を付けて!double_arrow